2020年のオリンピックが東京で開催されることが決まり、
その経済効果に各界各層から大きな期待が寄せられています。
しかし、前回の「東京オリンピック」と違い、
今回の東京オリンピックに「経済効果」を期待するのは
余り馴染まないように思います。
1 代替効果を考慮していないふしが伺えます。
例えば、公共事業も「他の予算」が振り向けられるかも知れませんし、
「大型テレビ」を買うことにすると、
他の消費を控えて節約するかも知れません。
外国から大勢の観光客がやってくれば、
その間ビジネス客には敬遠されるかも知れません。
2 次に、ある程度の需要誘発効果はあっても、
オリンピックが終わると次の月には、反動で落ち込むでしょう!
3 オリンピックをきっかけに「都市基盤」を整備すれば
後世代にとても貴重なストックとなるという考え方も
しっかりと吟味する必要があります。
五輪だからといって実現するようなストックは
後の世代にとって必要性が薄く、非効率なものとなる可能性があります。
4 今でさえ財政基盤は、
1000兆円(国民総生産の200%)に及ぶ
国債発行という「打ち出の小槌」で賄われ、
つまり「借金」です。
7年後には「日本国債」の信任が市場から得られず
暴落している可能性があります。
だから、巨額の資金を施設整備に投じている余裕は
本当はないはずです。
オリンピックに浮かれて「巨額」の投資を行えば、
その後の反動も大きく、財政に悪影響を及ぼすこと必定です!
それよりも、できるだけ既存の施設設備を活かしながら
新たな整備は必要最小限に止め、
日本が得意とする「国民総参加型のおもてなし」に
知恵を絞った方が喜ばれると思いませんか?
2012年ロンドンオリンピックの時に、
英国で40年暮らしたことのある宮島満江さん(元投資銀行社内弁護士)が
ボランティア活動として参加した経験談を
語っておられた。
24万人以上が応募して、7万人が選ばれたうちの1人として
各地から駆けつけた様々な仲間と市民参加型のボランティアに励んだそうです。
何十年かに一度の貴重なチャンス。
日本の「おもてなしの精神」を市民が十分に発揮できるような制度を
作ったら世界中の人たちから喜ばれるのは
間違いないでしょう!
阪神淡路大震災や東日本大震災で活躍したあのボランティア精神を
「日本人の絆」で再構築することができたら、
世界で最高、歴史上例をみない「オリンピック」の祭典となるでしょう!