私の卒業した二松學舍大学は、明治10年に
福澤諭吉の慶應義塾、中村敬宇の同人社と三大塾の1つとして創立され、
来年で創立140年という節目の年を迎えます。
しかし、同窓会の組織として「松苓会」という名称を使って活動を始めたのは、
昭和6年の二松學舍専門学校の第1回からでした。
だから、松苓会(同窓会)としての周年事業を
85年にして初めて今年開催したというわけです。
私も2万5千人という数多い卒業生の中で
10数年間、長崎県支部長を偶々させて頂いたお陰で
今回感謝状を頂きました。
しかし、この授賞式典や懇親会以上に私が感動したのは、
水戸英則理事長の「松苓会85周年記念講演」でした。
この式典が開催される前に鶴蒔靖夫氏の書かれた『二松學舍大学の挑戦』という書籍を
読んでいたからでした。
水戸英則理事長は、福岡県の出身で九州大学経済学部で学び、
卒業すると、日本銀行に入行。
入行後は国庫局、外国局と進んで、その4年後にはフランスに国費留学を経験しています。
53歳の時に肥後銀行の常務取締役となり、
その時の縁から熊本学園大学で「金融論」を教えることになり、
教育者としての意識ややる気が芽生えたそうです。
8年間の熊本生活に終止符をうち、
故・元日銀総裁の三重野康が特別顧問だった二松學舍に奉職することになりました。
2005年に常任理事・評議員を経て2011年に
理事長に就任されました。
その経過以上に私が注目したのは、
学生を教えたり、束ねたりすることではなく、
二松學舍全構成員の目指すべき指針として
「N2020PLAN 長期ビジョン」を策定されたことにあります。
この資料の隅々を見ると
水戸英則理事長がどんなことを目指されたかが分かります。
そして、それを「絵に描いた餅」にしないための方法論も
素晴らしいと思いました‼️
そして、方法も緻密ですし、
どこをどうすれば達成できるかも明確です‼️
この全部の資料をお見せすることはできませんが、
あと一つだけ触れておきたいことがあります。
それは私も前職の長崎日大で使いましたが、
難攻不落の「教職員の意識改革」を
どう進めていくかということでした。
書籍にも資料にも出ていませんが、
水戸英則理事長は「ボトムアップ」というキーワードで表現されました。
要するに、30~40歳代の職員で
次代を背負って立つ問題提起をさせたことです⁉️
教職員という職種は、どんな結論が出るかより
自分がそこに参加したという当事者意識を
大事にする特徴があります。
その点を上手く活用されているところが流石です‼️
その結果、この「N2020PLAN」を基盤にした教育改革は
格付投資情報センター(R&I)の財務格付で「A-(シングルAマイナス)」という
高い評価を受けています。
もっと詳しくご存知になりたい方は、
前述した『二松學舍大学の挑戦』という書籍を
ご参照ください。
そして、時代は次の140年ということに意識が向かっています。
来年度には「世界へつなぐストリートを、世界をつなぐストーリーを」というキャッチフレーズで
「都市デザイン学科」という新たな学科ができたり、
「漱石アンドロイド」を利用した
新たな宣伝方法も陽の目を浴びますので、
益々二松學舍から目が離せません‼️