真にエコな包み、
即ち「自然に還るパッケージ」にどんなものが
あるでしょうか?
稲ワラを束ねて敲いて結って作った入れ物を
卵苞(たまごつと)と言い、
卵が非常に貴重だった時代から壊すことなく届けるのに
全国的に用いられていたそうです。
しかし、プラスチック容器が普及して廃れていきましたが、
機能を追求して作り上げたパッケージとしては
最高のデザインと言えるでしょう!
私がワラのパッケージに初めて出会ったのは
水戸の「納豆」でしたが、皆さんはご覧になりましたか?
ところで、プラスチックやビニールなど石油由来の製品は
自然に戻るでしょうか?
ご承知の通り「戻りません」。
その証拠に焼却場に持って行って
燃やしているでしょう!
さて、その他に「自然」に戻るエコなパッケージに
どんなものがあるでしょうか?
肉・魚・納豆・佃煮・味噌などを包むのに
まだスーパーなどがない時代に使われていたものに
「経木(木を削った薄い板)」がありました。
経木は国産のアカマツで、
伐採から約2週間の丸太を製材して
縦15センチ横50センチの板を削って作ります。
削った経木は湿っているので
室内で2~3日乾燥させます。
曲げると縦に割れやすいので、
食べ物を包むときはぬれた布巾で拭いて
少し湿らせて使うのです。
最近では、「中華まん」の底や寿司店で「魚」の下に
敷いたりするのに使われています。
他にも、岐阜県では夏の郷土菓子を
ミョウガの葉で包むそうです。
「みょうがぼち」と言い、
みようがが旬の6~8月に作られ、
田植えの合間のおやつとして家庭でつくられたと言います。
と、ここまで書いて
田植えでふと思い出しました。
私が小学生の頃は今のように機械植えではなかったので
こどもまで含めた人海戦術で田植えをしていました。
そして、その時振る舞われた「おやつ」が
「かからだんご」という自家製のおやつでした。
「かからの葉」というのは、
学名をサルトリイバラと言って
「餅」や「だんご」を包むのに適しています。
まだまだありますよ。
木曽名物のあんの入った米粉餅を
朴(ほお)の葉で包む「朴葉巻」。
京都や関西で見かける
鯖寿司を柿の葉で包んだ「柿の葉鮨」。
端午の節句に見かける
「柏餅」や「粽(ちまき)」。
ここには登場していませんが、
他にもあるだろうと思います。
こんな情緒に満ちたパッケージが何故日本で流行ったかというと
「日本ではむき出しの状態で食べ物を渡すのは礼儀に反するという美徳」が
あったからだと言われています。
つまり、相手が無事に食べ物を口に運ぶまで
食べ物が傷まないようにという思い遣りを込めて
「草木」で包んだのだそうです!
しかも、食べ終わったら
土に戻せばそのまま自然に還るという
真にエコ製品なのです。
先人の知恵がぎっしつり詰まっていて
しかも美的センスも光る「パッケージ」を
今一度見直して現代の私たちの生活に是非活かしたいものです!