明治維新の立役者と言えば、
西郷隆盛、坂本龍馬、勝海舟などの名前が挙がるのですが、
実際に「明治政府」を動かしていったのは
海外事情に詳しい人たちでした。
一般的には、
山県有朋、板垣退助、江藤新平たちの名前が
浮かびますが、
先兵役を果たしたのは
まだ江戸幕府が鎖国政策を取っていた時期に
西洋文明を学ばせる目的で
長州藩(現山口県)が英国に密航留学させた5人でした。
その5人とは、
伊藤博文(俊輔)、井上馨(聞多)、山口庸三、遠藤謹助、井上勝です。
当時かれらは20歳代で
1863年(文久3年)にUCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)に在学し、
アレキサンダー・ウイリアムソン教授が
身元引受人になられたそうです。
教授は、人種や身分にとらわれない自由な発想の持ち主で、
5人は自宅などで世話になりながら、
先生の化学教室に籍も置かせてもらっていたと言います。
夫人からは英会話、洋服の着方、食事のマナーなどを
教えてもらいました。
当時は、長州ファイブ以外に
薩摩藩などから他の日本人留学生もいたそうです。
その日から今年で150周年ということで、
身元引受人となられたウィリアムソン教授夫妻の顕彰碑が
ロンドンに建立され、7月2日に除幕式があります。
それにしても、国交がない時代に
未知の国に行かせようとした長州藩は
昔から「進取の精神」が強い土地柄だったのでしょう!
当時、唯一海外に開かれていた長崎や
その昔から南蛮貿易で先鞭をつけていた平戸などではなく、
長州だったことと無縁ではありません。
幕末のわずか数年で
数多くの人材を輩出した「松下村塾」の影響は
計り知れないものがあったのでしょう!
そして、今も山口県は一国の首相を始めとする
人材を輩出し続けるている風土や気風を持っている点で
とても羨ましく思う土地柄です!
そんな雰囲気をちょっとでも味わいたいため、
毎年11月は「下関歴史ウォーク」に出場しています!