MOOC(Massive Open Online Course)、
日本語に直すと「無料オンライン講座」とか
「無料ネット授業」とか訳されている。
ムークは、教員が講義の動画・スライド・資料を配信し、
受講生は名前やメールアドレスを入力すれば
誰でも世界中どこででも
無料で講義が受講できる!
大学の講義を単に撮影した動画ではなく、
メリハリをつけて10分程度に編集され、
ミニテストで理解度を確認しながら進める形式が多い。
週に5~10時間ほど、
3~4ヶ月間受講し、宿題や試験で
基準に達すれば終了証を入手できる。
英語による講座が多いが、
人気講座は利用者らが勝手に字幕を付けて拡散するため、
10を超す言語で見られる動画もある。
こうして世界の隅々まで一流大の授業が広がり、
あらゆる地域の意欲ある受講者がつながっていっている。
1年間の受講生は450万人を
超えたそうである。
代表的なムークと主な講義には、
次のようなものがあるので紹介してみよう!
エデックス(edX)…2012年5月開校 https://www.edx.org/ 12大学24講座を公開、受講生70万人超
ハーバード大「正義論」「著作権」、
MIT(マサチューセッツ工科大)「生物学入門」「世界の貧困」、
UCバークリー「人工知能」
コーセラ(Coursera)…2012年4月開校 https://www.coursera.org/ 62大学325講座を公開、受講生285万人
コロンビア大「金融工学とリスクマネジメント」、
プリンストン大「アルゴリズム」「世界史」、
東京大「戦争と平和の条件」
ユダシティー(Udacity)…2012年1月開校 https://www.udacity.com/
授業力で選ばれた教員や著名人ら約20人が20講座を公開、受講生100万人超
著名学者スラン氏「人口知能入門」「ロボット人工知能」、
著名起業家ブランク氏「スタートアップの起業方法」、
物理好きの若者アンディ氏「物理学入門」
オンライン教育自体は珍しいことではない、
わが「みのる塾」でも高校生用として
インターネットで配信される有料映像授業を
取り入れたことがある。
しかし、従来のものは「教材」を売ることを目的としているため
塾としてはもうからない商売であり、
多良見では定着しないシステムだったので
3年程度で終わりにした。
しかし、2001年のMITが教材のオンライン化に乗り遅れた焦りとして
授業の無料公開という突拍子もないアイディアで勝負に出た。
初年度こそ、「仕事が増える」とか、
「どうして自分の教材を無料で見せなければならないか」という抵抗もあったそうだが、
その後、優れた教材を見た優秀な学生が入学してくるようになって一変!
人目にさらされる緊張感から教材の質も上がり、
参加する教員も増えていき、
利用する人たちの規模が拡大して相乗効果が!
そして、2012年に大学と受講生が
双方向でやりとりしながら授業を進める「ムーク」を
ハーバード大と一緒に作りブレークした。
世界一のハーバード大とマサチューセッツ工科大が組めば「鬼に金棒」だろう!
このムークでは受講者の学習履歴が回収できるので、
人材獲得の有力な手段になる。
しかも、優秀な人材が世界のどこにいるのかが一目で分かる。
他にも、世界中で講座を利用する人たちの自発的な学習会も開かれていて
切磋琢磨したり、情報交換もやっていることが分かっている。
さらには、海外大学の授業がハードルが高い人には
米国のカリスマ講師が教える「子供向け無料サイト」で
英語を勉強することもできる。
また、日本でも米国の動きに刺激されて
大学生が「受験生向けの講義動画」を無料公開する
動きも広がってきている。
このようにインターネットの普及は暮らしだけでなく、
教育の世界も一変させていくだろう!